いっそ、最初に切るか


結局のところ、最序盤の役牌の扱いはどうしたらいいでしょう。

237m3589p369s東南白中 ドラ無関係

例えば南家のこんな手。ターツは足りていないのですよ。でも、重ねられる前に切る、切り時に迷わなくていいように早く切る、というのは一見整合性があるように見える。で、東場なら東から切っていくのが割といまの競技のトレンドと思うのですね。おのずとそういう打ち方を貫く人のことは頭に入ってくる。であるとすれば、自分が親で東トイツなら1打目に鳴けることが多いので、その前に決めておかないといけない。逆にいえば、最初に出て来なければ持っていないのでモチモチなのかもしくは山にいるとわかりやすい。こういう手、子でどうすれば最善の結果が出るのかわからない。

頼りになるのは経験しかなくて、自分の成績がいいときは、こういうときに字を切らないで、うまくまとまる。最善のタイミングで切ることができる。この手だと9sが離れてるので、字より先にそっちを切る。789sの3種11枚がロスになるけれども、それもやむなし。

役牌というのは風見鶏やリトマス紙のようなもので、前述のような対戦相手のスタイルや、出てくるタイミングで他人の動向がある程度はわかってくる。自分が打っていて嫌なのが、役牌を我先にと切りたい人3人とやること(そんなにないけど)。誰がどう早いのか、どんな手なのかろくすっぽわからない。そう考えると、やはりさっさと切ってしまうのがいいようにも思える。じっくり持ってて、相手が重なったところで切るとか最悪なわけで。

が、これもか細い経験則で、字牌を使ったアガリがたくさんある日は、高い手をきっちりアガれてて、成績がいい。いまの自分だと、上記の手で役牌を切って動かれるほうが、どうしても罪に感じてしまうのですね。

さっさと切る。じっくり自分のタイミングで切る。トレンドがいったきたりしていたんだけど、ここ1年くらいずっと後者のスタイルでやってて、それがうまくできている(切り時の判断が自分なりにできている、あってるかは知らん)ときは、成績が安定している。漠然とした言葉ばかりも気持ち悪いので数字でいうと、100回打って4着が2割を切るような感じ?

世の中強い人がたくさんいて、それぞれ違いがあって、毎日のように動画でいろんな人を見る。あの人のスタイルだからやってみる、真似してみる、というのは、サイズの合わない靴で走らされるような、時に大けがの可能性があるわけで、もういい加減それは卒業しないとならない。

字牌の扱いは正確や雀力が相当に出る。そう思っていて、自分が初めて麻雀を後ろから見る人には、特にそこを見る。離し時がうまいな〜とか、あ、これはスタイルなんだな、というのがわかってくると、その人の思考が少しわかった気がしてくる。

ただ、ただ、これはちょっと脱線気味に、勇気を出して書くのだけども。

誰々の麻雀が好きとか、あの人の麻雀はこんな感じでどうのこうの、という会話が自分にはよくわからなくて。正直なところ、その人のたまたま目立つところを見て、断片的な印象論で語ってるんじゃないの? と思うこともある。例えば名前を伏せて番組を見ているとして、この人は●●さんだ! と自信を持って言えることなんて実はほとんどないんじゃないか。

RMUリーグは、全員言い当てられる自信があるけど、RTDや他の団体のトップリーグなんて、さっぱりわからないと思う。というのも、みんな基本手筋、手順は正解を選ぶし、奇をてらうことで勝てることはない。名人に名手なしを、みんながみんなやれるのが、トップリーグなのだから。

それがいつもわかること、他人の個性の理解度があなたの雀力といわれたら、引き下がるしかない。でもこのゲームは、他人の個性や実力なんてわかりにくいし、早晩わかった気になっちゃいけないんじゃないかなあ。広げた風呂敷を投げ捨てるようだけど、役牌の扱いも、その日のその人の目指すところによって変わってくるもんなのだ。

とかくこの7種類の牌は、扱いに困る。




麻雀ランキング












平均寿命


Jリーガーの3割は、プロ入り3年で辞めるみたいなデータをどこかで見た。

大半はサッカーしかしていないから、再就職が本当に大変だみたいな。体力があるからなんとでもなるだろうけど、華やかな世界から異業種に鞍替えもそれは大変なのでしょう。

麻雀プロ団体に入ってからの平均継続年数はたぶんもっと短い。というのも1年足らずで辞める人が多いので。

長く打っていることに自信を持ちましょう。それだけ人より多く負けている。そこからまたどんな理由であれ次の試合に朝早く起きて、電車で試合会場に足を向けているのですから。多井隆晴がなぜタイトルをたくさん持っているか、それは誰より試合に出て、負けてそこから学んだから。強い試合をたくさんそばで見てるけど、その何倍も実は負けているところを見ているのですよね。

とはいえ麻雀は、趣味感覚でやるには時間もお金もかかりすぎるので、いまより平均順位が著しく下がったらもう進退を考えるべきかと個人的には思う。楽しいけど、やはり時間は命と同義。

いや、そんな暗い話をしたいわけじゃないんだ。

やっぱり負けても、好きなら続けるべきだと思う。還暦過ぎても現役で強い人はわずかながらいるわけだし、年齢関係なく成長しているのが続けられる理由でしょう。

モチベーションが下がった、麻雀熱が下がって来た、なんて聞くことがあるけど、申し訳ないけどこっちはモチベーションで麻雀をやったことはないのですよ。

ちょっと座学やって結果が出るならこんなにラクなことはない。

強い人と勉強会をしても、研究会に参加しても、私設リーグで頑張っても、それで強くなることはそんなにないし、きっと誰しも薄々わかってる。これは自戒を込めて思うけど、本当に勘違いが多いゲーム。強くなるには実戦をするしかない。それと、その何倍も、振り返りをすること。

身を削って打った一打が敗着になって、ときに批判や中傷になり、それでも歯磨きのように毎日向かうのが当たり前なのが、麻雀であるなら、それは続けるほうがいい。

困ったことに自分の周りはそういう麻雀の感覚の持ち主ばかりで、彼らが勝手に背中を押してくるので、負けても辛くても、自分から幕を引けないし、次の東一局が待ち遠しいわけです。

おまけ。麻雀の勉強になる一番の場所はどこか? それは、多井さんと一緒に番組をやって、実況としてしゃべってるとき。嵐やAKBのレアチケットよりも高い、SSS級アリーナ席。いい仕事ができるように、もっと話のスキルも磨いていかないとなあ〜。で、こういうのは誰しもあると思うのですよね、目指す人から麻雀の話をがっつり聞けるところが。そういうところには、惜しみなく投資をしたほうがいい。リターンはきっと、一人で打つよりもっと早く手に入る。

2017クラウン予選


人数調整の繰り上げ通過というシステムがあって、期首順位に応じて選手が繰り上がる。これはどの団体でも?あるものだと思う。

自分は人数の都合によっては一次予選を打たなくてもいい可能性があって。それに備えて、近くで仕事をしようと思ってノートPCも持参。が、人数調整は関係なく、一次予選に出ることに。

これが結果的にすごく良かった。ふだんは打てない人と真剣勝負ができる。負けるリスクはあるが得られる経験値と比べれば些細なものだ。強がり10%くらいの思いだけど、本当にそう思うのですね。

ほんとは打った選手みんなと終わってすぐに感想戦がしたいのだけども、そうもいかない。いろんなことを反芻して少しでも経験値を上げる。自分は本当に場も相手の手もよくわからないことが多いので、少しでも正解を知っておきたい。

ところで、勝つときは、僥倖のアガリというより、いやそれもあるけども、なんとなく牌の巡り合わせがいいときがあるものだ。

67m23455p35678s東東 ドラ無関係

オーラスでトップ目、確かライバルのセンニセンは耐えられるくらいのスコアでイーシャンテン。アガリも大事なんだけど、2着と競り。仕掛けられる形で字の連打で何も問題ないんだけど、全員が端牌ばかり切っていて色の濃淡がさっぱりわからん。唯一、端すら切られてないソーズが嫌に感じて、丸いのの伸びを考えて5pを切ってみた。親がターツを一つ早々に落としていて、クイタンやるのが怖いというのもあった。これでチーテンを逃すのがひどく見えそうだけど、出るかわからないものに期待するより、じっくりやってみっかの構え。

親がすぐに宣言牌5pのリーチ。その河には8mがぽつんとあって、頭の中は「ここで4sツモれこの野郎」10秒前の思考は吹き飛んでいる。年中打ってるとたまには僥倖があって、すぐに4sを引いて思わずロンの声が出そうになる。ちゃんとノータイムで切る。受けそうな子方より先に親が8mをつかんだ。

こういうのは技量でもなんでもなく、ただただ巡り合わせがいいだけ。スコアを書きながら、勝手に転がり込んで来たポイントになんだか釈然としない。こんな幸運が続かないと勝てないなら上では…。

その日の運気に左右されるだけの麻雀だなあ。トップの麻雀を日々動画で見るからこそ、心底そう思うし、上との果てしない差をいつも痛感する。

サンプルが少ないのだけども、技量に合わずたぶんちょっとだけ自分のタイトル予選の通過率はいい。問題は技量通りにそれが収束してきたときに、続けられるかどうか。その分水嶺は内容の振り返りにあって、いいと思える負けなら次も粛々とやればいいだけなのだが、そうでないときが必ずやってくる。そこで顔を上げないで次にまたトライできるか。打ち続ける同期は業界見渡しても数えるほどしかいないのだ。長く続ける人はなにがしかの結果を残せている。

麻雀どうやったら強くなれるかを悩む年齢ははるか昔。派手さのないツモ捨てを、ときに悔恨のちらつく決断を明日もあさっても。

プロフィール

小林景悟

Author:小林景悟
RMUという競技プロ麻雀団体に所属しています。コピーライター、講師。

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